今年の11月は温かい日が多く、とても過ごしやすい毎日を過ごしました。少しずつ虫の声が減っていき、周辺の木々も色が変わり、子どもたちは落ち葉を拾ったりお散歩で紅葉を楽しんだりしています。
4日には、盛大な秋祭りを開催して頂き本当にありがとうございました。多くのお客様が来てくださり、皆さんがとても楽しまれている様子でしたし、園の関係だけでなく外部からお客様も来てくださり、認知度が上がったように思います。皆様の貴重な時間を準備に割いてくださりご協力くださったお一人お一人に、職員一同、心から感謝いたします。
また、11日の創立記念演奏会も多くの保護者の皆様が聴きに来てくださりありがとうございました。2週続けての行事になり、心配しておりましたがお越し頂きとても嬉しかったです。子どもたちに曲に関するクイズを出したところ、曲の途中で手を挙げるという微笑ましい場面もあり、雰囲気の良い楽しいコンサートになりました。
8日から10日まで、中学生の職場体験がありました。富山中学2年生の3人のお姉さんが3日間来てくれました。普段、人見知りをする子も、なぜかお姉さんだとすぐに仲良くなって楽しく遊ぶ姿に驚きました。お姉さんたちも、来週も来たいと言うくらい温かい交流になりました。
昨年同様、この様子を見ながら、思い浮かんだ脳外科医の林成之先生の「同期発火」という言葉。同期発火とは脳内に入った情報が「好き/嫌い」「興味がある/ない」などの感情のレッテルを貼り、同時に大脳神経細胞全体に情報がフィードバックされ起こる現象です。このとき同期発火している人と一緒にいる人も同期発火します。人の脳と脳をつなぐ回路はありませんが、出会ってすぐの人と気持ちが通じ合うとは、不思議です。「同期発火」は「好き」「興味がある」「感動した」といったプラスの感情を持つほど強く起こります。そして同期発火が強いほど、相手にも気持ちが伝わりやすくなります。
さくら学園を創設するきっかけになったスズキメソードの鈴木鎮一先生の言葉「どの子も育つ、育て方一つ」。この言葉も、今は気になるところや、問題に感じるところばかり見えたとしても「よりよく育つ」と信じて働きかけ続ければ、よりよく育つという意味だと思います。信じること=同期発火に繋がっているように思います。
子どもの成長を信じる上に、育て方に工夫を重ね、良い同期発火がたくさん起こる環境の中で毎日過ごし、子どもたちが自分の力と周りの人と力を合わせ、幸せを作り出していくことのできる逞しい人に育って欲しいと願っています。今年最後の月をよりよく過ごすことができますように。
園長 尾曽越 桃子